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環境ニュース[国内]

帝人、白金を使用しない燃料電池触媒を開発、電池コスト低減と安定供給を実現

エネルギー 燃料電池】 【掲載日】2014.11.13 【情報源】企業/2014.11.11 発表

 帝人は、白金を使用しない燃料電池触媒を開発した。安価で容易に調達できるカーボンアロイ(炭素材料)触媒(CAC)で、燃料電池自動車の普及に必要とされる燃料電池のコスト低減と安定供給を実現する。今後、CACの一層の高性能化や耐久性の向上を進めるとともに、燃料電池として実用に耐えられる特性を持たせる。
 燃料電池は、触媒に多くの白金が必要なことが課題になっている。白金は高価なうえ特定地域でしか産出されない資源のため、燃料電池の普及に向けて調達しやすく安価な白金代替触媒が求められる。帝人はこうした背景からCACを開発した。CACは炭素繊維原料でもあるポリアクリロニトリル(PAN)と鉄を原料にする。
 PANは白金と比べて安価で容易に調達でき、CACによって触媒の大幅なコストダウンや量産化が促進できる。さらに、帝人の高分子・炭素化技術を活用して触媒の粒子を微細にすることで反応が活発になるといい、CACを触媒に使った燃料電池は非白金触媒でトップ水準の発電性能を発揮する。2025年までの実用化を目標にした。
 燃料電池は、水素と空気中の酸素を化学反応させて電気をつくる。発電時にCO2などの温室効果ガスを排出しない次世代エネルギーとして、工場の大規模発電やオフィスビルの非常用電源などに利用されている。2014年度中には燃料電池を動力源にした燃料電池車の発売が予定され、自動車用途への市場拡大が期待されている。【帝人(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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