一般財団法人環境イノベーション情報機構
環境省、平成25年度被災地における海洋環境モニタリング調査結果を公表
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2014.11.11 【情報源】環境省/2014.11.11 発表
環境省は、東日本大震災に係る海洋環境モニタリング調査検討会での検討結果を踏まえ、平成25年度の調査結果をとりまとめ公表した。この調査は、東日本大震災に伴い流出した有害物質及び廃棄物並びに福島第一原子力発電所より漏出した放射性物質に起因して海洋環境中で汚染が生じる可能性のある項目について、その現状を把握することを目的としている。化学物質調査では、環境基準が設定されている項目(生活環境項目、健康項目及びダイオキシン類)は、いずれも国が定める基準値以内であった。堆積物中の多環芳香族炭化水素については、過年度の調査と同様、一部の測点において高い値が検出された。海底ごみ実態調査では、過年度調査における分布状況と比較して、海底ごみが減少する傾向が見られた。
平成23年度第3次調査以降、高い濃度で検出されてきた多環芳香族炭化水素については、今回の調査の結果、半径100m程度の範囲で濃度が2〜3倍程度変動することが明らかになった。このことから、過年度における多環芳香族炭化水素濃度の変動は、経年的な変化ではなく、水平的な採取位置のずれに伴う変動の影響を受けている可能性が示唆された。
また、堆積物中の多環芳香族炭化水素の濃度は高かったものの、採取した泥食性の底生生物に含まれる多環芳香族炭化水素の濃度について分析した結果からは、堆積物中に含まれる多環芳香族炭化水素が泥食性の底生動物へ移行し濃縮する可能性は低いとしている。【環境省】