日立製作所、カタール大とインフラシステムの環境・省エネ技術で産学連携協定

【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2014.11.11 【情報源】企業／2014.11.06 発表

　日立製作所は、カタール合弁会社の日立プラントカタール、同国立のカタール大学と産学連携協定を結び、11月6日に調印した。インフラシステム分野の環境・省エネ技術に関する包括的な内容で、同国を含む中東地域に適合したテーマを3年間検討・選定して実用化に向けた実証実験を行う。まず省エネ空調システム技術の研究開発を2015年初めに始める。
　3者は省エネ空調、水処理・再生水利用、エネルギー高効率マネジメントの3分野を中心に共同研究開発テーマを選ぶ。日立は省エネ空調システムや水処理システムなどの技術と実績・ノウハウを持ち、日立プラントカタールは現地で社会インフラ設備の設計・調達・建設を手掛ける。カタール大はインフラシステム分野で先進的な研究を進めている。
　連携後最初の取り組みとして、省エネ空調システム技術に関する研究開発を行う。カタールで建設が計画されるビル、ホテル、病院、サッカースタジアム、野菜栽培施設などの空調設備の省エネ・電力平準化を目的としている。3者共同で地域環境や対象施設ごとの特性に合った技術を開発して実用化する。協定には人的交流が含まれ、人材の育成も推進する。
　カタールは2022年にサッカーのワールドカップが開かれる予定で、サッカースタジアムやホテル、鉄道などの新規建設プロジェクトが多数計画され、インフラ投資の活発化が見込まれる。発展に伴って電力や水の需要が急増していることから、2016年までに2011年比で1人あたりの電力消費量を20％、水消費量を35％削減する国家目標を掲げている。【（株）日立製作所】