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環境ニュース[国内]

積水化学、地中熱利用の新システム事業を開始、高採熱管で効率的に熱を取り出し

エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2014.10.27 【情報源】企業/2014.10.23 発表

 積水化学工業は、地中熱を利用する新システム「エスロヒート地中熱−水平型」の事業を10月24日に始める。新たに開発した高採熱管を使って地中浅層部(1〜10m程度)の熱を効率的に取り出す。一般的だった深層部の熱を回収するボアホール(地中井戸)型に比べて、採熱部の施工に関わるコストが削減できる。非住宅建築物の空調利用を主な対象に展開する。
 地中熱は再生可能エネルギーの1つで、省エネ・CO2排出量削減が可能になるためゼロエネルギービル(ZEB)を目指す建物で空調や給湯への利用が増えている。積水化学は、地下100m程度の深層部用のシステム「エスロヒート地中熱−ボアホール型」を2011年に発売し、80件以上に導入した。今回浅層部用の水平型を加え、現場に応じて提案できる体制を整えた。
 水平型は採熱部、熱交換部(ヒートポンプ)、熱利用機器(空調・給湯)で構成する。採熱管内を循環させる水・不凍液の熱媒体で、冬は地中から熱を回収し、夏は地中に放熱する。採熱管は強度・耐久性に優れる高密度ポリエチレン管を採用した。水道の配管に使う管の厚さを最適化して採熱効率を約10%高めた。接続部からの漏水・漏液は50年以上ないという。
 採熱管は地中の浅層部に水平なスパイラル(らせん)状に敷設する。これによってボアホール型と比較して採熱部の材料、掘削・配管敷設費用が約40%削減できる。2016年度にエスロヒート地中熱−水平型の売上高4億円を目標に、設計から材料販売、施工まで幅広く手掛けて事業拡大を進める。建築物だけでなく、農業分野などさまざまな方面にも展開する。【積水化学工業(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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