一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、米国の超臨界CO2サイクル火力発電の実証試験プラントにタービンを供給
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2014.10.22 【情報源】企業/2014.10.17 発表
東芝は、米国・テキサス州に建設する超臨界CO2サイクル火力発電システムの実証試験用プラント向けに、プラントの重要部品であるタービンと燃焼器を供給する。2016年8月から順次、供給を始める。プラントは2017年の運転開始を予定している。東芝は同国のベンチャー企業やエンジニアリング大手、電力大手とともに2012年から開発を進めている。超臨界CO2サイクル火力発電システムは、ガスと蒸気タービンの両方で発電するガスコンバインドサイクル発電システムと同等の高い発電効率がある。同時に、CO2の分離・回収設備を別に設置することなく、高純度の高圧CO2が回収できる。超臨界は気体と液体の中間的な性質を持つ状態で、CO2は31℃・74気圧より高温・高圧で超臨界になる。
超臨界CO2サイクル火力発電システムでは、タービンの入り口でガスタービン並みの高い温度と蒸気タービン並みの高い圧力のガスを使う。そのため東芝は、これまで研究・開発してきた高温蒸気タービン用の材料技術やガスタービンの冷却技術を活用したタービンと、自社が持つガスタービンの燃焼・冷却技術を応用した燃焼器を供給する。
中でも燃焼器は東芝の独自の設計によって、従来に比べて10倍以上の300気圧でも使用できる。建設する実証試験用プラントは25MW(2万5000kW)級で、2017年からの試験では250MW(25万kW)級の商用化を目指す。東芝は超臨界CO2サイクル火力発電システムの事業展開を目指し、高効率なクリーンエネルギー技術の開発を推進する。【(株)東芝】