凸版印刷、紙と樹脂素材を複合したバイオマスプラスチックによる成型品を開発

【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2014.10.10 【情報源】企業／2014.10.06 発表

　凸版印刷は、紙と樹脂素材を複合したバイオマスプラスチックによる環境配慮型のプラスチック成型品を開発した。まずトイレタリー製品のボトルキャップ、計量スプーンや、産業製品用のネジや保護カバーなどのパーツ向けに、2015年1月に販売を始める。リサイクル資源の活用が重視される中、企業が製品の製造段階で排出する廃棄紙を利用する。
　微細な粉末にした紙素材とポリプロピレン（PP）樹脂を混ぜ合わせ、石油由来プラスチックの使用量を最大で3割削減する。未使用の紙だけでなく、廃棄紙も使えることが特長で、凸版印刷は今回、自社の廃棄紙を原料にしたプラスチック成型品の量産技術を確立した。廃棄紙削減に加え、自社製品を作るための資源に循環活用する。
　廃棄紙を使ったプラスチック成型品は印刷業界で初めてという。自ら排出する廃棄紙を循環活用した製品の開発で、環境保全に貢献する。素材に紙を複合していることから、従来のプラスチック製品と比べて耐熱温度と剛性が向上するうえ、製品のゆがみやそりを軽減する。従来のプラスチック製品にない独特の風合いも出る。
　凸版印刷は今後、企業が排出する廃棄紙を循環利用したプラスチック成型品を拡販し、企業の環境保全活動を支援する。新素材だが、価格は従来のプラスチック成型品と同等にする。関連受注を含めて、2016年度に約5億円の売り上げを目指す。紙以外の廃棄物に関しても同様の素材開発を進め、環境に配慮した製品の提供を通じて環境活動を推進する。【凸版印刷(株)】