一般財団法人環境イノベーション情報機構
京セラなど、電力需給バランスを自動で最適化するデマンドレスポンス実証開始
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2014.10.09 【情報源】企業/2014.10.06 発表
京セラは、日本IBM、マンション管理の東急コミュニティー(東京・世田谷区)とともに、電力の需給バランスを自動で最適化し、電力の安定供給を図るデマンドレスポンス(DR)の実証試験を10月に始める。発電事業者からの節電要請(DR信号)の発信、需要家の受信から、節電対応、結果の取りまとめ、実績報告まで自動で行う。日本初の取り組みという。DRは、発電事業者が電力ひっ迫時に需要家に協力を求めて電力使用量を減らし、電力需給のバランスを調整する仕組みで、発電事業者は安定供給でき、需要家は節電実績に応じて報奨が得られる。現在は、発電事業者から電話やメールで節電要請を出すケースが大半で、リアルタイムに自動的にバランスを最適化する仕組みは整備されていない。
実証実験は、京セラの横浜事業所(横浜市都筑区)、商業施設9店舗、一般住宅15世帯の計25カ所で2015年3月まで実施する。各施設では、DR信号の指示を受けてエネルギー管理システムで照明、空調、蓄電池などの機器を制御して電力消費を抑制・最適化し、結果を発電事業者に報告する。発電事業者は、正確な電力使用量をリアルタイムに算定できるようになる。
京セラが実証試験全体を統括するほか、システム設計・運用、効果検証などを手掛ける。日本IBMはサーバーの提供とデータ解析を担当し、東急コミュニティーは各種の施設への展開を検討する。3社は試験を通して技術やノウハウを蓄積し、2016年の電力小売り完全自由化に向けて新電力会社の増加が見込まれる中、自動DRのビジネスモデル構築を目指す。【京セラ(株)】