NTT東日本とNEC、長距離無線通信活用の露地栽培向けICT実証実験、生産性向上

【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2014.10.09 【情報源】企業／2014.10.03 発表

　NTT東日本とNECは、長距離無線通信を活用した露地栽培向けの農業ICT（情報通信技術）ソリューションの実証実験を千葉県香取市の農事組合法人和郷園と始める。農家の生産性向上を目的に、効率的な農場監視システムの実現を目指す。期間は10月〜2015年8月を予定する。四季を通じてさまざまに変化する農場環境の情報を取得し、実用性や耐久性を検証する。
　実験は、長距離無線通信が可能なNTT東日本のセンサーネットワークと、NECの農業クラウドサービスを利用して、和郷園が管理する農場で行う。露地栽培の農場に取り付けたセンサーから温度、湿度、照度のデータを収集し、インターネットを介して蓄積する。農場の環境情報がスマートフォン（高機能携帯電話）やタブレット端末で容易に確認できるようにする。
　霜害などの予防のために、これまで手作業で実施していた温度、湿度、照度の収集が自動化でき、農家の生産性を高められる。センサーネットワークの通信距離は最大数キロあり、管理事務所から離れた農場や飛び地からでもデータを集められる。センサーはソーラー発電だけで動作でき、農場監視システムの課題だった電源の確保と電池交換作業の必要がない。
　NECのクラウドサービスを使うことで、センサーから収集する温度、湿度、照度のデータはいつでもどこでも確認できる。実験を通して、事業化に向けた有用なデータの検証やデータの効果的な利活用を検討する。今後、センサーネットワークやサービスの改善・機能追加を進め、2015年度を目標に農家や自治体が利用可能な農業ICTソリューションとして商品化する。【東日本電信電話(株)】