一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、準天頂衛星を利用してEVバスの位置を把握するシステムを開発、運行開始
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2014.10.08 【情報源】企業/2014.09.30 発表
東芝は、日本の衛星測位システム、準天頂衛星を利用して電気自動車(EV)バスの運行位置を把握するシステムを開発した。準天頂衛星を活用することで、将来的に数センチ単位での把握を目指す。府中事業所(東京都府中市)でこのシステムを搭載したEVバスの運行を9月に始めた。準天頂衛星を使用する交通システムは初めてという。準天頂衛星システムは、日本で常に天頂付近に1機の衛星が見えるように複数の軌道面に配置した衛星を組み合せる。山やビルの影響を受けることがなく、全国をほぼ100%カバーする。今後はGPS(衛星利用測位システム)以上の精度で、測位補正情報を送信する計画だ。誤差数センチのレベルまで、測位精度の改善が期待できる。
カーナビなどの衛星測位は米国のGPSを利用しているが、GPSだけでは10m程度の精度でしか位置が測定できない。精度を高めるためにカーナビなどでは地図情報を基に位置を補正しているが、地図情報が十分ではない空港や事業所などの敷地内での位置の把握は難しいうえ、山やビルに遮られてGPS衛星からの受信が困難なこともあった。
開発したシステムは、工場来客者の移動状況をリアルタイムに把握する。EVバスには自社の二次電池「SCiB」を採用した。バスの位置や電力使用、CO2削減状況などの情報は、バス内のサーバーに集約して車内や来客用ロビーのディスプレーなどで確認できる。空港や事業所のEVバス向けシステムとして2018年までの実用化を目標にする。【(株)東芝】