一般財団法人環境イノベーション情報機構
ブリヂストン、米国グループの天然ゴムを含む植物の研究所が完成、試験生産へ
【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2014.10.07 【情報源】企業/2014.09.29 発表
ブリヂストンの米国グループ会社、ブリヂストン・アメリカズ・タイヤ・オペレーションズが同国アリゾナ州メサ市に建設した「バイオラバー・プロセス・リサーチ・センター(BPRC)」が完成した。9月22日に式典を開いた。同センターは、天然ゴムを含む植物「グアユール」の加工研究所で、2015年に天然ゴムの試験生産を始め、2016年までに次の段階に向けた判断をする。グアユールは、米国南西部からメキシコ北部の乾燥地帯が原産の低木で、幹の部分などに天然ゴムを含んでいる。タイヤの主要原材料の中で大きな比率を占める天然ゴムの約9割は、東南アジアで生育する「ゴムの木(パラゴムノキ)」から採取されている。グアユールはパラゴムノキと異なり、乾燥地域で栽培できるため、天然ゴム供給源の多様化に期待がかかる。
BPRCは「オフィス試験棟」「前処理棟」「動力棟」「抽出仕入棟」で構成する。30人を超える研究者と技能員が、グアユールから天然ゴムを採取するための加工技術の研究開発を実施する。BPRCで生産されるグアユール由来の天然ゴムについて、今後日本と米国の各技術センターで最適なゴム配合の研究開発を行い、2020年代の実用化に向けて検討を進める。
ブリヂストングループはアリゾナ州エロイ市で東京ドーム約25個分にあたる114haの農地を確保し、グアユールの品種改良や栽培技術を目的にした研究農場の運用を2013年9月に始めた。世界的な自動車台数増加に伴ってタイヤ需要の拡大が見込まれる中、ブリヂストンは、従来の天然ゴムと同様に植物が生み出す生物資源としてグアユールに着目した。【(株)ブリヂストン】