一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱日立パワーシステムズ、グループが集光型太陽熱発電の技術開発業務を受託
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2014.10.06 【情報源】企業/2014.09.26 発表
三菱重工業と日立製作所の火力発電システム事業を統合した三菱日立パワーシステムズ(MHPS)グループでボイラーや環境装置を手掛けるバブコック日立(BHK)は、環境省の「2014年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」を受託した。本事業で、集光型太陽熱発電の技術開発業務を行う。コストが低く運用性に優れる太陽熱発電システムを確立する。MHPSとBHKは10月1日の統合が決まっていて、その後はMHPSが業務全体を進める。集光型太陽熱発電は、太陽熱を集めて高温の蒸気を生成し、蒸気タービン発電機で発電する仕組みで、コストが課題とされる。業務では、低コストの集光・集熱システムの開発・検証を行う。高温蓄熱システムの検証と発電設備を含むシステム全体の最適化技術を開発する。
受託期間は3年で、MHPSの横浜工場(横浜市中区)に集光・集熱の検証設備を設け、2016年に試験運転を始める。集光型太陽熱発電は、太陽光発電と比べて日射量の変化に伴う発電出力の変動が小さいうえ、集めた熱を蓄熱設備で貯蔵し、曇りや夜間でも安定して電力が供給できる。半面、システムが複雑なため設備コストが高くなる。
BHKは、独自のHSTS(ハイブリッド・ソーラー・タワー・システム)と呼ぶ技術を考案した。水の蒸発までは300℃以下で使う低温型の装置を利用し、それ以降の蒸気過熱は小型タワー上部のレシーバーへの集光で行う。最適な集光・集熱方式を組み合わせることで低コスト化が期待できる。今回、HSTS技術に高温蓄熱技術を合わせたシステムを開発する。【三菱日立パワーシステムズ(株)】