一般財団法人環境イノベーション情報機構
富士通、電力使用量の情報を活用した見守り支援の事業化に向け、鹿児島で実証
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2014.10.03 【情報源】企業/2014.09.26 発表
富士通は、家庭内で計測した電力使用量の情報を活用した見守り支援サービスの事業化に向け、鹿児島薩摩川内市で9月26日に実証を始めた。同市と7月に締結した「次世代エネルギーを活用した市民サービス検討に関する基本協定」に基づく。富士通のエネルギー管理のノウハウを生かし、同市内の高齢者約100世帯を対象に2016年3月31日まで実施する。実証は、これまで薩摩川内市全域で展開してきた声掛けや定期訪問などの、高齢者見守り活動にICT(情報通信技術)を加え、効率化と質の向上を図ることを目的とする。実証に参加する高齢者宅に電力使用量の計測器と温度・湿度・照度・気圧などが測定できる複合センサーを設置してデータを収集する。データは富士通のセンターで蓄積・分析する。
データ分析によって見守り対象者の生活リズムや住環境の状態を導き出して行動を推定し、それを基に薩摩川内市内の関連部門が、見守り対象者宅の訪問が必要かどうかを判断する。仕組みが実現すると、熱中症の予防などにも役立てることができる。2014年度にシステム環境の構築、モニター宅選定、機器設置などを行い、2015年度に実際に検証する。
薩摩川内市は、市民サービス拡充のための次世代エネルギー活用について、2012年4月から専門の委員会で検討し、2013年3月に「次世代エネルギービジョン」と「行動計画」を策定した。富士通は委員会の設立当初から参画し、ICT活用のノウハウを提供して協力してきた。同市は九州電力とスマートグリッド(次世代電力網)の実証試験も行っている。【富士通(株)】