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環境ニュース[国内]

清水建設、夜間工事照明の生態系への影響をシミュレーションするシステムを開発

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2014.09.25 【情報源】企業/2014.09.18 発表

 清水建設は、夜間工事の照明が生態系に与える影響をシミュレーションする「夜間工事照明影響評価システム」を開発した。生態系に配慮したうえで、費用対効果を考えた最適な夜間照明の計画立案が可能になった。食物連鎖に着目し、昆虫類が照明に誘引されて死滅することで失われる餌資源のカロリー量を基に、連鎖の中位・上位生物への影響を算出する。
 このシステムは、工事現場周辺100m圏内の水田、森林、草地などの面積割合、水銀灯、ナトリウム灯、LED(発光ダイオード)灯といった照明の種類・光量と設置台数、使用期間などのデータを入力すると、夜間照明に誘引される昆虫類の種類と質量を推定する。その結果から、カエルなど連鎖の中位生物が摂取できなくなる餌資源のカロリー量を算出する。
 さらに、より上位の生物の餌資源の減少に関して順に推定する。最終的には連鎖の頂点にある猛きん類1羽が生存するのに、最低限必要な摂取カロリー量を1として、失われる猛きん類の餌資源を数値で表わすとともに、対策コストを算出する。自社のダム工事の現場で照明の種類別に集まる虫を実測し、照明別のコストなどと併せてデータベースを構築した。
 清水建設は以前から、通常使用される水銀灯の代わりに、高価だが虫が集まりにくいナトリウム灯を夜間照明に採用するなどの対策を行ってきた。しかし効果が定量的に把握できなかった。今後、ダム工事などの総合評価入札案件の提案書にこのシステムの採用を盛り込み、施工の際は現場周辺の環境や予算などの条件を基に、最適な照明計画を立てる。【清水建設(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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