一般財団法人環境イノベーション情報機構
日立パワーソリューションズ、最終処分場向けアンモニア性窒素処理装置を開発
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2014.09.05 【情報源】企業/2014.09.03 発表
日立グループで社会インフラ関連技術・製品を扱う日立パワーソリューションズは、廃棄物最終処分場向けのアンモニア性窒素処理装置を開発した。10月1日に販売を始める。この装置は、廃棄物最終処分場で発生する浸出水の中に含まれる、アンモニア性窒素を電気分解で処理する。気候などの外的環境に影響されることなく、安定して効率的な廃水処理ができる。浸出水は、廃棄物に接触することで廃棄物中の有害成分が溶出して汚染された雨水を指す。そこに含まれるアンモニア性窒素は一般的に、微生物による分解とガス化で除去している。しかし、浸出水の温度やアンモニア性窒素の濃度が気温や降水量などで変化するため、微生物の活性が影響を受け、処理効率が下がる。分解速度が緩やかなことも課題になっていた。
日立パワーソリューションズは、廃水処理の電気分解技術を応用し、廃棄物最終処分場など大規模な廃水処理向けの分解処理装置を開発した。電極を搭載した電解処理槽に、浸出水を循環させ、電極で分解して発生させた次亜塩素酸などの活性酸素をアンモニア性窒素に作用させる。これによって、浸出水に含まれるアンモニア性窒素を無害な窒素ガスにして排出する。
電気分解のため、気温や降水量など外的環境の変化に関わりなく安定的に処理できる。従来は、微生物の活性を維持する必要から連続運転が基本だったが、この装置は運転・停止が可能で、浸出水量に合わせて運用できる。電解処理槽1基当たり1日50m3で連続処理する。処理槽は複数台取り付けられる。効率的な廃水処理を訴えて、国内の廃棄物最終処分場に展開していく。【(株)日立パワーソリューションズ】