一般財団法人環境イノベーション情報機構
レンゴー、レアアースを使うことなく可視光照射で発光する新しい蛍光体を開発
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2014.09.03 【情報源】企業/2014.09.01 発表
レンゴーは、レアアース(希土類)を使うことなく、可視光照射で発光する新しい蛍光体「ガイアフォトンγ(ガンマ)」を開発した。開発済みのレアアース不使用の新蛍光体「ガイアフォトン」は、紫外線の照射が必要だったが不要になった。約2年後の実用化を目指す。今後、発光強度の向上や熱劣化特性など研究を進める。開発成果は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2014年度希少金属代替・低減省エネ材料技術実用化開発助成事業に採択された。既存の蛍光体は、原料に必ずレアアースを使用する。ほとんどが中国などからの輸入に頼るため、輸出各国の政策の影響を受け、取引価格が高額になっているのが現状だ。
ガイアフォトンγは、ガイアフォトンの改良版で、紫色の可視光照射で茜色から赤色に発光する特性を持つ。ガイアフォトンは紫外線照射が必要になり、紫外線発光LED(発光ダイオード)の本格的普及が実用化の課題になっていた。今回ガイアフォトンγで可視光照射による光表現の方法を確立し、この問題を解決した。
ガイアフォトンγは、産出国が多様な銀を使用する。焼成工程が不要で製造時のエネルギー消費も大幅に抑えられ、価格は既存品の数分の1以下になると見込む。粒子の直径は3〜5μ(マイクロ)m(1μmは1000分の1mm)で、LED照明用の蛍光体に適しているという。LED照明用途だけでなく幅広い領域で活用が期待できる。【レンゴー(株)】