一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝と神戸製鋼が建設した風力・太陽熱・バイオマス発電設備が完成、実証開始
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2014.08.27 【情報源】企業/2014.08.22 発表
東芝と神戸製鋼所が兵庫県南あわじ市に建設してきた風力、太陽熱、バイオマスを熱エネルギー源として組み合わせたバイナリー発電システムの実験設備が完成した。実証試験を始めた。沸点の低い熱媒体を加熱・蒸発させてつくる蒸気でタービンを回して発電する。バイナリーは「2つの」を意味し、2種類の熱サイクルで発電することからバイナリー発電と呼ぶ。システムは、太陽熱集熱装置(大型6台、小型64台)、バイナリー発電機1台、バイオマスボイラー2基(木質ペレットだき、竹チップだき各1基)、制御装置で構成し、70kWの発電出力がある。加えて、南あわじ市が出資する事業者が建設した出力1500kWの風力発電設備の電力を使う。自然条件に関わりなく、電力と温水が安定供給できる。試験は2014年度末まで行う。
東芝は太陽熱集熱装置と、太陽熱発電システム全体を制御するシステムの開発、設備の建設を担当し、試験を取りまとめる。大型と小型の太陽熱集熱器で熱を回収し、バイナリー発電と温水供給の熱源に活用する。制御システムは、風力発電設備の発電出力から短期の変動電力を分離して熱に変え、熱媒体で吸収する。これによって風力での発電電力を平準化する。
東芝は実証試験を通して、小規模施設などで経済的に使える電気・熱供給源になる太陽熱集熱装置の実現性を検証する。神戸製鋼は、太陽熱集熱装置とバイオマスボイラーで作った蒸気を熱源にしたバイナリー発電システムを手掛けた。両社は実験設備で得た技術を基に、地域に密着した電気・熱エネルギー供給設備を開発し、再生可能エネルギーの利用拡大につなげる。【(株)東芝】【(株)神戸製鋼所】