一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱電機、気象庁から受注の気象衛星「ひまわり8号」の製造完了、打ち上げへ
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2014.08.26 【情報源】企業/2014.08.22 発表
三菱電機は、気象庁から受注した静止気象衛星「ひまわり8号」の製造を完了した。2009年7月の受注から5年をかけた。製造した鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)から出荷・輸送し、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)に搬入する。H-IIAロケットで10月7日に打ち上げられる。従来の静止気象衛星と比べて観測性能が大幅に向上する。ひまわり8号は、現在観測を行っている「ひまわり7号」の後継機で、台風や集中豪雨、気候変動などの監視・予測や、船舶・航空機運航の安全確保を目的にしている。観測したデータは日本のほか30カ国以上に提供され、各国の災害対策にも役立てられる。三菱電機はひまわり7号も手掛けていて、その経験から提案して総合的に評価された。
ひまわり8号には、世界最先端の観測能力を持つ気象観測センサーを搭載した。観測時間は、ひまわり7号の30分ごとから10分ごとに短縮し、日本付近は2分半ごとの観測もできる。衛星画像の解像度を2倍に向上させ、カラー画像の取得も可能にした。設計寿命は15年以上(ひまわり7号は10年)、ミッション運用寿命は8年以上(同5年)を見込む。
ひまわり8号は、三菱電機の標準衛星バス(衛星の基本機器と主構造)「DS2000」を使った8機目の人工衛星にあたり、DS2000の人工衛星は、ひまわり7号を含め順調に運用されている。三菱電機は現在、2016年打ち上げ予定の「ひまわり9号」を製造していて、これにもDS2000を使う。今後も世界で衛星事業の拡大を進める。【三菱電機(株)】