一般財団法人環境イノベーション情報機構
IHI、子会社が世界最小・最軽量の高層気象観測機器GPSラジオゾンデを販売開始
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2014.08.21 【情報源】企業/2014.08.18 発表
IHIの子会社で観測機器の明星電気は、世界最小・最軽量となる高層気象観測機器GPS(衛星利用測位システム)ラジオゾンデ「iMS-100」の販売を始める。自社の従来の世界最軽量機種の2分の1に軽量化した。関連器材が小型・省資源化でき、運用コストを削減する。小型・軽量化と併せて世界トップ水準の精度と性能を実現している。GPSラジオゾンデは上空30〜35kmの大気の温度、湿度、気圧、風向、風速を計測し、観測データをリアルタイムに地上に送信する機器で、ヘリウムや水素ガスを充てんした気球で空に上げる。機器が直接上空に行って計測することから、高い精度で計測が可能になる。気候監視や天気予報や基礎データとして重要な役割を果たしている。
明星電気は1938年の創業以来、ラジオゾンデの製造・販売を手掛け、現在は国内唯一のメーカーになっている。iMS-100は幅53mm、高さ131mm、奥行き55mm、重さ38gで、小型・軽量化によって空に上げる器材の小型化を可能にした。他社製品と比べて運用コストを最大30%低減する。同時に、製品ライフサイクル全体の環境負荷を抑える。
ラジオゾンデは、気球が膨張して破裂することで観測使命を終え、地上や海上に落下する。落下時の事故の危険性が課題とされるが、小型・軽量化したことで事故リスクも低減する。落下の衝撃は従来のパラシュート付きと比較して、パラシュートなしでも10分の1程度に抑えられる。今後世界シェア拡大に向けて営業活動を加速させる。【(株)IHI】