一般財団法人環境イノベーション情報機構
東京ガス、地区の圧力調整器を遠隔再稼働するシステムの運用を開始、日本で初
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2014.07.31 【情報源】企業/2014.07.29 発表
東京ガスは、地区の圧力調整器(ガバナ)を遠隔操作で再稼働する「地区ガバナ遠隔再稼働システム」の運用を7月29日に始めた。地震が起きた際、被害の軽い地域での迅速なガス供給の復旧を目的に、日本で初めて導入・運用する。地区ガバナは、都市ガス製造工場から送られる高圧ガスを家庭で使う圧力に減圧する装置で、東京ガス供給エリアに約4000カ所設置されている。東京ガスは地震防災対策で、導管網を207の「ブロック」に分け、被害が大きい地域を定めて、ガスの供給を停止する地域を最小限にする仕組みを導入している。震度6弱相当以上の揺れを感知すると、地区ガバナを遠隔で自動遮断してブロック単位で供給を止める。地震発生後は、これまでは地区ガバナごとに現地で、漏えいがないことを確認して再稼働させていた。しかし同システムでは、導管網の圧力を監視してガスの漏えいがないと判断した時に、遠隔操作で地区ガバナを再稼働できる。
地区ガバナ内に遠隔で開閉操作できる弁(バルブ)を設けると同時に、現行の地震防災システム上で操作できる新機能を加えた。地震防災システムは、ガス供給エリア約4000カ所に設置された地震計(SIセンサー)で、揺れを計測し、2次災害を防ぐために、被害の大きい地域のガス供給を停止するシステムだ。
地区ガバナ遠隔再稼働システムによって、現地に出動する必要がなくなり、渋滞が予想される地震発生直後でも当日中の復旧が可能になる。2011年3月の東日本大震災の際、ガス供給を停止した地域の一部でガスの漏えいがなかったにも関わらず、渋滞などの影響で現場への到着が遅れ、復旧が遅くなった事例があったことから開発した。東京ガスは2013年7月から現場試験を行い、今回運用を始めた。2018年度までに全ての地区ガバナにシステムを入れる。【東京ガス(株)】