一般財団法人環境イノベーション情報機構
パナソニック、3種の樹脂を同時選別するリサイクル技術を開発、再利用を加速
【ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2014.06.26 【情報源】企業/2014.06.20 発表
パナソニックは、家電のリサイクル工場で発生するシュレッダーダストからポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABSの3種類の樹脂を同時に選別・回収するリサイクル技術を開発した。処理速度は従来の3倍になる。この技術をグループ内のリサイクルプラントに展開し、リサイクル樹脂の再利用を加速させる。シュレッダーダストは、家電などの工業製品を粉砕して、鉄など再利用資源を回収した後に残る樹脂、ガラス、ゴムなどの破片を指す。パナソニックは2010年に、家電の解体工程で発生し、それまで廃棄するか燃料として利用していたシュレッダーダストから、近赤外線識別技術で樹脂を高精度で選別し、リサイクルする技術を開発している。
しかし、3種類の樹脂ごとに装置を切り替えて選別を繰り返すため、処理速度が課題になっていた。今回開発した技術は、シュレッダーダストの樹脂片から、純度99%を超える精度を維持したまま3種類の樹脂を同時に選別し、回収できる。エアーの吐出時間や位置を最適化した独自の高精度エアー制御などで実現した。
開発した技術を導入した装置は現在、使用済み家電製品の再商品化とリサイクル技術の開発・実証を手掛けるパナソニックエコテクノロジーセンター(兵庫県加東市)で稼働している。パナソニックは、今後この技術をグループ内に広げ、シュレッダーダストからの樹脂の選別・回収による再生資源の活用の拡大を図る。【パナソニック】