一般財団法人環境イノベーション情報機構
日本全国の維管束植物の絶滅リスク評価公表
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2014.06.17 【情報源】国立環境研究所/2014.06.16 発表
国立環境研究所・九州大学ほかの研究グループは、日本植物分類学会と環境省が、全国約500名の調査員の協力を得て実施した植物レッドデータブック編集のための調査データ(全国規模での維管束植物の分布個体数調査データ)をもとに、1618種の絶滅リスクの定量的な評価を行った。その結果、現状の減少傾向が続くと仮定した場合、100年後に370〜561種の絶滅が起こる可能性があることが示された。これは世界全体での維管束植物の絶滅速度の推定値の2〜3倍に相当する。一方、国立・国定公園の区域内外で個体数の減少傾向を比較した結果、公園内では減少傾向が最大で60%程度改善されていることが示された。
以上のことは、植物の絶滅を避けるためには、保護区の拡充が有効であることを示している。さらに、面積の拡大だけでなく、それぞれの保護区において保全効果をより高めるための管理の実施が重要であることも示された。【国立環境研究所】