一般財団法人環境イノベーション情報機構
イオン、農業子会社が近畿大と協定、バイオコークス利用のハウス加温栽培研究
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2014.05.23 【情報源】企業/2014.05.20 発表
イオンの100%子会社で青果物生産・加工・卸売り・小売りを展開するイオンアグリ創造は、近畿大学と産学連携包括協定を5月20日に結んだ。同大バイオコークス研究所が北海道恵庭市に保有する農地で、バイオコークスを利用したハウス加温栽培や、循環型農業などの共同研究に取り組む。バイオコークスとは、植物資源(バイオマス)から形成する固形燃料を指す。協定は、バイオコークスのコスト面やCO2排出削減の具体的な利点を検証して普及を推進するとともに、循環型農業の研究・実践によって持続可能な農業を確立することが目的だ。恵庭市の約10haの研究農地や農業倉庫、機械を共同利用して研究を進める。イオンアグリ創造の従業員と、就農希望者への実習や作物栽培の研修など、人材の育成も共同で手掛ける。
ハウス加温栽培では、バイオコークスを燃料に使ったトマト栽培の実証実験を9月に始める。循環型農業については、農場で発生する野菜かすなど有機性残さの活用を研究・実践する。今後は、バイオコークス研究所の農地で栽培された野菜をイオン店舗で試験販売して市場調査するほか、和歌山県にある近畿大学の農場でも、同大農学部などと共同研究を実施する。
さらに、イオンの店舗で発生した食品残さを原料にバイオコークスを製造し、イオン直営農場で冬のハウス暖房の燃料に利用して野菜栽培を行い、環境への配慮と低コストの両立を目指す。イオンアグリ創造は、冬に野菜を安定供給するための低コストのハウス栽培や、直営農場の面積拡大に向けた作物栽培技術の向上が課題になっていた。協定を通じて実現を図る。【イオンアグリ創造(株)】