一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、長期保存できる無農薬の野菜生産を事業化、閉鎖型の植物工場で安定栽培
【エコビジネス 環境と経済】 【掲載日】2014.05.20 【情報源】企業/2014.05.15 発表
東芝は、長期保存できる無農薬の野菜生産を事業化する。自社が保有する遊休施設を活用し、ほぼ無菌状態になる閉鎖型の植物工場を設けて安定的に栽培する。神奈川県横須賀市の建物を植物工場に転用する工事を5月15日に始めた。2014年度の上期には出荷を開始し、年間3億円の売り上げを見込んでいる。ヘルスケア事業の一環として展開する。植物工場は「東芝クリーンルームファーム横須賀」で、1969m2の延べ床面積がある。リーフレタス、ベビーリーフ、ホウレンソウ、ミズナ、スプラウトを栽培する。レタス換算で年間300万株規模で生産する。植物育成用に光の波長を最適化した蛍光灯や、均一な温度・湿度を実現する空調機器、遠隔監視、除菌システムなど自社の技術を導入する。
菌の侵入を制限したクリーンルームで栽培することから、雑菌による傷みが少なく長期保存可能な野菜が生産できる。長期的に鮮度の高さが求められるカット野菜やサラダ向けに、スーパー、コンビニエンスストア、飲食業者に販路を広げる。育成環境の制御でポリフェノールやビタミンCが豊富な機能野菜も生産でき、ニーズに合わせて提供する。
2014年度中には新しい大規模植物工場を海外に建設する計画で、植物工場向け機器やシステムの販売も始める。東芝は、グループの技術を融合してヘルスケア事業を推進し、画像診断装置が中心の診断・治療に加え、食、水、空気など健康増進にも注力する。今後も農業をはじめ、さまざまな分野で技術を生かした商品・ソリューションを提案する。【(株)東芝】