一般財団法人環境イノベーション情報機構
旭硝子、地球温暖化の影響を約6分の1に低減できる空調機器向けの新冷媒を開発
【エコビジネス 環境と経済】 【掲載日】2014.03.25 【情報源】企業/2014.03.19 発表
旭硝子(AGC)は、地球温暖化の影響を約6分の1に低減できる空調機器向けの新冷媒「AMOLEA(アモレア)」を開発した。従来の冷媒「HFC(ハイドロフルオロカーボン)-410A」と同等の性能を持ちながら、温室効果の影響を大幅に抑えることができる。2016年の商業生産の開始を目指すと同時に、温暖化の影響をさらに抑制する冷媒の開発を推進する。アモレアは、温暖化をもたらす程度を表す温暖化係数が非常に低い「HFO(ハイドロフルオロオレフィン)-1123」を主成分にした混合冷媒だ。HFOはフロンや代替フロンより温暖化係数が低いフッ素化合物で、混合冷媒は複数の冷媒を最適に配分した冷媒を指す。独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業で開発した。
現在、空調機器や自動車などの冷媒にはオゾン層を破壊しないHFCが代替フロンとして使われているが、フロンと同等の強い温室効果をもたらすことから、世界的に使用が見直されている。欧州では規制が開始されたほか、日本でも2015年からの規制が予定されている。このためルームエアコンや業務用空調機器で「HFC-32」など代替冷媒の採用が一部で始まった。
アモレアは、温暖化係数をHFC-32の約半分、HFC-410Aの6分の1に抑えながら、冷媒性能は同等で、温暖化の抑制と省エネ性能の両立を可能にする。AGCグループは、アモレアの実用化を急ぐとともに、温暖化係数をさらに低くできる冷媒の開発に力を入れる。機器メーカーと協力して、環境負荷が極めて低い空調機器の早期実現を目指す。【旭硝子(株)】