一般財団法人環境イノベーション情報機構
川崎重工、自動車運搬船2隻を受注、世界初の2元燃料エンジンで環境負荷低減
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2014.03.12 【情報源】企業/2014.03.07 発表
川崎重工業は、ノルウェーのユナイテッド・ヨーロピアン・カーキャリアーズから自動車運搬船2隻を受注した。同社は、日本郵船とスウェーデンの海運会社、ワレニウス・ラインズが共同株主の自動車船会社で、自動車運搬船として世界で初めてLNG(液化天然ガス)と重油の2元燃料エンジンを採用し、環境負荷を低減する。受注した自動車運搬船は、主機関と発電機機関に2元燃料エンジンを導入することが最大の特長で、LNG燃料で航行が可能な世界最初の自動車運搬船となる。LNG燃料を使うことで、CO2や窒素酸化物(NOx)の排出量を重油に比べて大幅に低減するとともに、粒子状物質(PM)と硫黄酸化物(SOx)の排出量はほぼゼロにできる。
自動車運搬船は3800台積みで全長約181m、幅30m。川崎重工の中国合弁会社、南通中遠川崎船舶工程(江蘇省南通市)が建造する。トラックや建設機械などの大型車両も積載可能な構造強度を持つほか、最高水準の耐氷仕様を採り入れる最大級の自動車運搬船となる。2隻とも2016年後半の引き渡しを予定する。
北海・バルト海域への投入を計画し、主にLNG燃料での航行を想定している。同海域では硫黄分の厳しい排出規制が2015年1月から実施されることになっているが、LNG燃料での航行で規制を十分クリアする。さらに、高い耐氷仕様によって、氷の海域になる冬季のバルト海を含め、年間を通じて安定した輸送を実現する。【川崎重工(株)】