一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱重工、石炭火力発電所排ガスからのCO2回収・貯留実証完了、実用化にめど
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2014.01.17 【情報源】企業/2014.01.14 発表
三菱重工業は、米国電力大手、サザンカンパニーと共同で実施した石炭火力発電所排ガスからのCO2回収・貯留の実証試験を終えた。排ガス中に不純物が多い石炭火力を対象にした大規模なCO2回収・貯留の実用化にめどがついた。実証試験で得られた成果を基に、石炭火力でのCO2回収技術の商用化に向けた取り組みを加速させていく。実証試験では、1日500tの規模でCO2の回収を行った。サザンカンパニーが米国南部アラバマ州に保有する火力発電所にCO2を分離・回収・圧入する実証プラントを造り、2011年6月から運転を開始した。CO2回収技術・性能の検証の後、2012年8月にCO2回収・貯留一貫実証試験を始め、大規模CO2回収プラントで高い性能での連続安定運転を実現した。
CO2回収プラントは、排ガスの前処理(脱硫)、CO2吸収・再生、圧力をかけてCO2を送る設備と付帯設備などで構成する。年間15万tの回収能力があり、回収率は90%を超える。三菱重工は基本計画、エンジニアリング、中核機器の供給と実証運転の技術サポートを担当し、関西電力と開発したエネルギー消費が少ない回収方式を採用した。
計画した実証試験は2013年12月に完了し、今後の共同実証に関してサザンカンパニーと協議している。三菱重工は、既に商用化されている天然ガスだき排ガスからのCO2回収技術でトップ水準の実績がある。石炭だきの排ガスからのCO2回収についても今回の大規模試験で目標を達成したことを弾みに、商用技術の確立を目指す。【三菱重工業(株)】