アスベスト被害救済制度に基づく指定疾病の認定のための医学的判定を実施

【健康・化学物質 公害予防/被害】 【掲載日】2014.01.07 【情報源】環境省／2014.01.07 発表

　環境省は、アスベスト救済法（石綿による健康被害の救済に関する法律）に基づいて（独）環境再生保全機構から申し出のあった、医療費等の申請96件（注1）、特別遺族弔慰金等の請求28件（注2）に対して、認定疾病に関する医学的判定を平成26年1月7日に行い、結果を発表した。
　医療費等申請のうち中皮種・肺がんに関しては、86件中53件（中皮種43件、肺がん10件）が「認定疾病と判定」、5件（中皮種3件、肺がん2件）が「認定疾病でないと判定」、28件（中皮種20件、肺がん8件）が「判定保留」であった。著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては、10件中2件（石綿肺1件、びまん性胸膜肥厚1件）が「認定疾病でないと判定」、6件（石綿肺2件、びまん性胸膜肥厚4件）が「認定疾病でないと判定」、2件（石綿肺1件、びまん性胸膜肥厚1件）が「判定保留」であった。
　また、特別遺族弔慰金等の請求のうち、中皮種・肺がんの『施行前死亡者に係るもの』に関しては、2件中1件（肺がん）が「認定疾病と判定」、1件（肺がん）が「認定疾病でないと判定」、『未申請死亡者に係るもの』に関しては、23件中13件（中皮種11件、肺がん2件）が「認定疾病と判定」、6件（中皮種4件、肺がん2件）が「認定疾病でないと判定」、4件（中皮種1件、肺がん3件）が「判定保留」であった。著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・びまん性胸膜肥厚については、『施行前死亡者に係るもの』に関して、1件（石綿肺）が「認定疾病でないと判定」、『未申請死亡者に係るもの』に関して、2件（全てびまん性胸膜肥厚）が「認定疾病でないと判定」であった。
　これにより、これまでの判定分とあわせると、医療費等の適用対象とする罹患事例のうち中皮種・肺がんの累計は5,108件（中皮腫4,191件、肺がん917件）、石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては63件（石綿肺18件、びまん性胸膜肥厚45件）、特別遺族弔慰金等の適用対象とする罹患事例のうち中皮種・肺がんの判定件数は『施行前死亡者に係るもの』が149件（中皮腫5件、肺がん144件）、『未申請死亡者に係るもの』は558件（中皮腫438件、肺がん120件）、石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては、『施行前死亡者に係るもの』が6件（石綿肺2件、びまん性胸膜肥厚4件）、『未申請死亡者に係るもの』が4件（石綿肺2件、びまん性胸膜肥厚2件）となっている。
　なお、判定が保留された事例に対しては、(独)環境再生保全機構が申請者や医療機関に必要資料の追加提出を求め、改めて判定を行うことになる。

（注1）うち20件はこれまでに「判定保留」とされた案件で、今回改めて資料の提出があったため、再度判定された。
（注2）うち15件はこれまでに「判定保留」とされた案件で、今回改めて資料の提出があったため、再度判定された。

【環境省】