ソーラーフロンティア、CZTS太陽電池で変換効率の世界記録を更新

【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2013.12.12 【情報源】企業／2013.12.10 発表

　昭和シェル石油100％子会社で太陽電池生産・販売のソーラーフロンティアは、次世代太陽電池のCZTS太陽電池に関する共同研究で、自らのエネルギー変換効率の世界記録を更新した。米国の光学機器メーカーで太陽電池の測定サービスを行う米ニューポートの測定で12.6％に達した。前の記録から1年余りでさらに効率を引き上げた。
　ソーラーフロンティアと米IBM、半導体製造などの東京応化工業との共同研究となり、0.42cm2のCZTS太陽電池セルで達成した。これまでの世界記録は、同様の共同研究チームによる11.1％で、2012年8月に公表した。ソーラーフロンティアは記録更新について、一層の変換効率向上や実用化に向けた明るい材料になる、としている。
　CZTS太陽電池は銅（C）、亜鉛（Z）、スズ（T）、硫黄（S）、セレン（S）を主成分にして作られる。レアメタル（希少金属）を使うことなく、入手が容易な安価な原材料を使用することが特長。コスト競争力に優れて量産化に適していることから、次世代の太陽電池技術として将来性に大きな期待が寄せられているという。
　ソーラーフロンティアは、CZTS太陽電池に形態が似たCIS（銅・インジウム・セレン）薄膜太陽電池を製造している。自社の研究所でカドミウムを含まない約0.5cm2の薄膜太陽電池のセルで世界記録の19.7％を達成したほか、30cm角のCIS薄膜太陽電池サブモジュールの開口部面積で17.8％を実現した。今後も研究開発を進める。【ソーラーフロンティア（株）】