アスベスト被害救済制度に基づく指定疾病の認定のための医学的判定を実施

【健康・化学物質 公害予防/被害】 【掲載日】2013.11.25 【情報源】環境省／2013.11.25 発表

　環境省は、アスベスト救済法（石綿による健康被害の救済に関する法律）に基づいて（独）環境再生保全機構から申し出のあった、医療費等の申請87件（注1）、特別遺族弔慰金等の請求25件（注2）に対して、認定疾病に関する医学的判定を平成25年11月25日に行い、結果を発表した。
　医療費等申請のうち中皮種・肺がんに関しては、81件中52件（中皮種47件、肺がん5件）が「認定疾病と判定」、7件（中皮種4件、肺がん3件）が「認定疾病でないと判定」、22件（中皮種19件、肺がん3件）が「判定保留」であった。著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては、6件中5件（石綿肺1件、びまん性胸膜肥厚4件）が「認定疾病でないと判定」、1件（石綿肺）が「判定保留」であった。
　また、特別遺族弔慰金等の請求のうち、中皮種・肺がんの『施行前死亡者に係るもの』に関しては、今回判定は無く、『未申請死亡者に係るもの』に関しては、24件中12件（中皮種6件、肺がん6件）が「認定疾病と判定」、4件（全て中皮種）が「認定疾病でないと判定」、8件（中皮種6件、肺がん2件）が「判定保留」であった。著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・びまん性胸膜肥厚については、『未申請死亡者に係るもの』に関して、1件（びまん性胸膜肥厚）が「認定疾病でないと判定」であった。
　これにより、これまでの判定分とあわせると、医療費等の適用対象とする罹患事例のうち中皮種・肺がんの累計は5,055件（中皮腫4,148件、肺がん907件）、石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては61件（石綿肺17件、びまん性胸膜肥厚44件）、特別遺族弔慰金等の適用対象とする罹患事例のうち中皮種・肺がんの判定件数は『施行前死亡者に係るもの』が148件（中皮腫5件、肺がん143件）、『未申請死亡者に係るもの』は545件（中皮腫427件、肺がん118件）、石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては、『施行前死亡者に係るもの』が6件（石綿肺2件、びまん性胸膜肥厚4件）、『未申請死亡者に係るもの』が4件（石綿肺2件、びまん性胸膜肥厚2件）となっている。
　なお、判定が保留された事例に対しては、(独)環境再生保全機構が申請者や医療機関に必要資料の追加提出を求め、改めて判定を行うことになる。

（注1）うち28件はこれまでに「判定保留」とされた案件で、今回改めて資料の提出があったため、再度判定された。
（注2）うち7件はこれまでに「判定保留」とされた案件で、今回改めて資料の提出があったため、再度判定された。

【環境省】