一般財団法人環境イノベーション情報機構
伊藤園、独自の茶殻リサイクルシステムを活用した折りたたみチェアを共同開発
【ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2013.11.20 【情報源】企業/2013.11.15 発表
伊藤園は、独自の茶殻リサイクルシステムを活用した茶殻入り折りたたみチェアを鋼製家具製造・販売のサンケイ(三重県鈴鹿市)と共同開発した。サンケイが11月20日に発売する、椅子の座面と背もたれの部分に、茶殻を配合した樹脂を使用した。消臭・抗菌効果が特長となる。樹脂原料の使用削減と茶殻によるCO2固定効果がある。茶殻リサイクルシステムは、茶系飲料の製造過程で排出される残りかすを環境配慮型の工業製品などに利用する仕組みだ。伊藤園の技術によって、製造工程で水分を多く含む茶殻を乾燥させることなく、有効活用できるようにした。茶殻入り折りたたみチェア1脚あたりに、「お〜いお茶」500mLのPET製品約16本分の茶殻を使った。
茶殻を配合することでその分の樹脂原料の使用量を減らすことができる。また、茶殻は植物としてCO2を吸収しているため、茶殻入り折りたたみチェア1脚で約124gの茶殻由来のCO2が固定される計算になる。折りたたみチェアは、通常タイプのスチール脚と軽量タイプのアルミ脚の2種を展開する。重さはそれぞれ2.9kg、1.9kgとなる。
今回開発した折りたたみチェアをはじめ茶殻を使った製品には茶殻が持つ抗菌・消臭効果があり、これまでに茶殻リサイクルシステムを活用した畳、石こうボード、ベンチ、ボールペンなどを製品化した。名刺、紙ナプキン、封筒、カレンダーなどは紙原料削減にもつながる。伊藤園は今後も茶殻配合製品の研究開発を進める。【(株)伊藤園】