一般財団法人環境イノベーション情報機構
環境省による外来生物マングース防除が、在来ネズミ類の回復に寄与!
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2013.11.07 【情報源】国立環境研究所/2013.11.06 発表
国立環境研究所は、平成25年11月6日、外来生物マングース防除が、在来ネズミ類の回復に寄与していることを示す研究成果を公表した。今回の研究は、在来ネズミ類については、防除によりマングース密度が低下する過程で、顕著な増加がみられたが、クマネズミの増加は不明瞭であったことから、環境省那覇自然環境事務所が実施している「奄美大島におけるジャワマングース防除事業※」で収集・蓄積されたデータを国立環境研究所、東京大学、自然環境研究センター及び環境省那覇自然環境事務所の研究グループが解析したもの。
その結果、生息地改変に対する在来ネズミ類とクマネズミの反応は逆で、在来ネズミ類は天然林における環境収容力が農地や市街地より高かったのに対し、クマネズミでは農地や市街地のような人為的環境でより高い密度になることが判明。これらの結果から、マングース防除による捕食圧からの開放はアマミトゲネズミやケナガネズミにより有利に作用し、生息に好適な自然林を中心に急速な回復に繋がったとの見解を示している。また、今回の結果から、在来ネズミ類を保全し、クマネズミを増やさないためには森林環境の保全もまた重要であることが判明したとしてる。
※日本に定着したマングースは、これまでジャワマングースといわれていたが、その後の遺伝的な研究からジャワマングースとフイリマングースの2種に分割されることが明らかになっている。日本に導入されているのは後者(フイリマングース)に当たる。この結果を受けて、外来生物法上の特定外来生物にフイリマングースが指定され、平成25年9月1日より規制が開始されている。
【国立環境研究所】