一般財団法人環境イノベーション情報機構
清水建設など、浮体式風力発電と変電所を連結、浮遊式海中ケーブル工事が成功
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2013.10.08 【情報源】企業/2013.10.03 発表
清水建設は、経済産業省から受託して福島県沖で進めている「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」で、浮遊式海中ケーブルによる浮体式風力発電設備と洋上変電所の連結工事に、古河電気工業などと成功させた。世界で初めてという。古河電工と、同社が出資するケーブルメーカーのビスキャスがケーブルを開発し、清水建設が敷設した。開発したケーブルは「特高圧ライザーケーブル」と呼び、浮体式設備の動きや波、潮流に追従する。こうしたケーブルの開発・製作と実海域での敷設は世界でも例がない。ケーブルは、太平洋に面した福島県楢葉町から引いてきた海底ケーブルと変電設備を連結する長さ900mの66kV用と、変電設備と発電設備を結ぶ長さ2.3kmの22kV用の各1本となる。
特高圧ライザーケーブルは、長期間の使用でも海水が内部に浸透しない遮水性能と耐疲労特性を備えた構造を持つ。浮体式設備から海底までの中間点にブイを取り付け、海中でS字を描くように設置する。S字の部分が浮体式設備の移動・浮き沈みに追随する仕組みとなる。実海域での敷設は、潮流や波浪の影響を受けるため難工事とされる。
清水建設は高度な海洋工事技術を駆使し、水中でのS字形の管理、形状を維持する長さの調整、ケーブル端末と浮体式設備の連結工事を成功させた。同実証研究事業は、清水建設、古河電工を含む10社と東京大学で組織した共同体が行い、清水建設はこれまでに浮体式洋上風力発電設備のえい航・係留や海底ケーブルの埋設などを担当した。【清水建設(株)】