アスベスト被害救済制度に基づく指定疾病の認定のための医学的判定を実施

【健康・化学物質 公害予防/被害】 【掲載日】2013.09.30 【情報源】環境省／2013.09.27 発表

　環境省は、アスベスト救済法（石綿による健康被害の救済に関する法律）に基づいて（独）環境再生保全機構から申し出のあった、医療費等の申請107件（注1）、特別遺族弔慰金等の請求27件（注2）に対して、認定疾病に関する医学的判定を平成25年9月27日に行い、結果を発表した。
　医療費等申請のうち中皮種・肺がんに関しては、95件中61件（中皮種50件、肺がん11件）が「認定疾病と判定」、6件（全て中皮種）が「認定疾病でないと判定」、28件（中皮種22件、肺がん6件）が「判定保留」であった。著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては、12件中2件（全てびまん性胸膜肥厚）が「認定疾病と判定」、9件（石綿肺5件、びまん性胸膜肥厚4件）が「認定疾病でないと判定」、1件（びまん性胸膜肥厚）が「判定保留」であった。
　また、特別遺族弔慰金等の請求のうち、中皮種・肺がんの『施行前死亡者に係るもの』に関しては、2件中1件（肺がん）が「認定疾病でないと判定」、1件（肺がん）が「判定保留」、『未申請死亡者に係るもの』に関しては、20件中9件（中皮種3件、肺がん6件）が「認定疾病と判定」、4件（中皮種2件、肺がん2件）が「認定疾病でないと判定」、7件（中皮種5件、肺がん2件）が「判定保留」であった。著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・びまん性胸膜肥厚については、『未申請死亡者に係るもの』に関して、5件中1件（石綿肺）が「認定疾病と判定」、4件（石綿肺3件、びまん性胸膜肥厚1件）が「認定疾病でないと判定」であった。
　これにより、これまでの判定分とあわせると、医療費等の適用対象とする罹患事例のうち中皮種・肺がんの累計は4,949件（中皮腫4,056件、肺がん893件）、石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては60件（石綿肺17件、びまん性胸膜肥厚43件）、特別遺族弔慰金等の適用対象とする罹患事例のうち中皮種・肺がんの判定件数は『施行前死亡者に係るもの』が148件（中皮腫5件、肺がん143件）、『未申請死亡者に係るもの』は511件（中皮腫407件、肺がん104件）、石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては、『施行前死亡者に係るもの』が6件（石綿肺2件、びまん性胸膜肥厚4件）、『未申請死亡者に係るもの』が4件（石綿肺2件、びまん性胸膜肥厚2件）となっている。
　なお、判定が保留された事例に対しては、(独)環境再生保全機構が申請者や医療機関に必要資料の追加提出を求め、改めて判定を行うことになる。

（注1）うち32件はこれまでに「判定保留」とされた案件で、今回改めて資料の提出があったため、再度判定された。
（注2）うち11件はこれまでに「判定保留」とされた案件で、今回改めて資料の提出があったため、再度判定された。

【環境省】