一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱重工、燃料電池と超小型ガスタービンの複合発電で4000時間の連続運転成功
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2013.09.26 【情報源】企業/2013.09.20 発表
三菱重工業は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)と超小型(マイクロ)ガスタービン(MGT)を組み合わせた200kW級の加圧型ハイブリッドシステム(複合発電システム)で、4000時間を超える長時間の連続運転に成功した。世界で初めてという。今後、安全性の検証試験を実施して業務用・産業用のハイブリッドシステム市場の開拓を目指す。東京ガスの研究施設「千住テクノステーション」(東京・荒川区)で3月から運転し、出力206kW、効率50.2%で安定した性能を実証した。燃料の都市ガスをSOFCに投入して電力にした後、残った燃料をMGTで発電に使う省エネ・高効率システムで、MGTの高温排気を熱供給に利用することでコージェネレーション(熱電併給)も可能になる。
加圧型は、MGTの圧縮機で昇圧した空気をSOFCに供給して酸化剤に使用した後、高温排気をMGTに送り、その熱と圧力を、残った燃料とともに発電に使う。加圧すると電圧が増大する加圧型SOFCの特性を効率向上に生かす。SOFCはセラミックス製の燃料電池となり、都市ガスから取り出す水素などと空気中の酸素の反応で電力を発生させる。
三菱重工は、風車をはじめさまざまな自然エネルギー発電や原子力発電、高効率火力発電システムなどCO2を削減する発電方式に取り組む中、SOFC技術についても有望と考えている。今回運転した加圧型ハイブリッドシステムは、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究として2008年度から開発してきた。【三菱重工業(株)】