一般財団法人環境イノベーション情報機構
パナソニック、高速の水浄化技術を開発、新構造の光触媒を活用
【水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2013.08.08 【情報源】企業/2013.08.05 発表
パナソニックは、水中の汚染物質を高速で処理する新しい水浄化技術を開発した。新構造の光触媒粒子を活用して水中に分散する。地下水などに含まれるヒ素、六価クロムといった有害金属や、医薬品、農薬などの難分解性有機物を無害にする。太陽光を使う小規模の水浄化装置を実現し、低コストで安全な飲料水が求められる新興国での展開が期待できる。開発した水浄化技術は、従来の固定型光触媒材料と比較して最大100倍の反応速度で処理が可能なうえ、処理水中からの使用済み光触媒の回収・再利用が容易なのが特徴。水の浄化は光触媒と太陽光に含まれる紫外線だけで行い、塩素や薬剤などを利用する方法と比べて環境負荷も小さく、除去が難しかった有害金属などを最大99.99%無毒化できる。
新構造の光触媒粒子は、ゼオライトと呼ぶ回収しやすい大きさの粒子の表面に、微粉末の二酸化チタン光触媒を結合させた。特定の粒子間に作用する静電的な引力を結合力に利用するため、化学物質が不要になる。光触媒の表面積を大きくでき、タイルやガラス繊維の表面に二酸化チタンの薄膜を形成した固定型光触媒の浄化と比べ、高速処理が可能になる。
さらに粒子が沈んで分かれる沈降分離が容易で、水中に分散した光触媒が短時間で回収・再利用できる。インドの大学と10月から効果を実証する。従来の塩素や逆浸透膜による水浄化は有害金属が十分除去できない。また、これまでの固定型光触媒方式は有害物質との接触面積が限られていたため反応速度が遅く、水中から回収するのに大規模処理槽が必要だった。【パナソニック(株)】