一般財団法人環境イノベーション情報機構
電源開発などが着床式洋上風力の実証運転を 北九州沖で開始
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2013.07.01 【情報源】企業/2013.06.27 発表
電源開発(Jパワー)は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で、着床式洋上風力発電設備の実証運転を北九州市沖で6月27日に始めた。西日本で初めての沖合着床式洋上風力発電となる。発電した電力を陸上に送電し、風車の信頼性やメンテナンスなど、普及のために必要になる技術の確立を目指す。洋上風力発電設備は、北九州市の沖約1.4km、水深約14mの地点に設置した。風力を電力に変換する装置(ナセル)は海面から80mの高さにある。定格出力は2MW(2000kW)で、風車の直径は83.3mとなる。日本製鋼所が造った。風車の基礎部分は4100tの重量で、鉄筋コンクリートと鋼管構造のハイブリッド重力式と呼ぶ方式を採用した。
運転を開始した風車に隣接して、風速や風向を測定する洋上風況観測タワーが設置され、2012年10月に風況観測を始めている。同タワーは、洋上の風況や特性を定量的に評価でき、風車に作用する風の荷重の評価や風況予測手法の検討を行う。発電設備と併せて2015年3月まで実証研究し、洋上風力発電の導入に向けて技術を検証する。
洋上風力発電は土地や道路の制約がなく、大型の風車が比較的容易にできることから、四方を海に囲まれた日本で今後、普及が期待されている。景観や騒音への影響も小さく、海外では欧州を中心に約540万kWの洋上風車が設置されている。NEDOは、運転を始めた北九州市沖の日本海のほか、千葉県銚子市沖の太平洋でも実証研究している。【電源開発(株)】