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環境ニュース[国内]

住友林業が岩手・陸前高田の「希望の松」で 接ぎ木苗、順調に成長

環境一般 CSR】 【掲載日】2013.06.21 【情報源】企業/2013.06.18 発表

 住友林業と、グループで緑化事業の住友林業緑化は、岩手県陸前高田市の松林で2011年3月の東日本大震災の津波から1本だけ残った「希望の松」の後継樹育成の経過を公表した。2011年春に枝から育成した接ぎ木苗は順調に成長しているものの、松ぼっくりから採取した種子から育てている実生苗は厳しい状況で、2011年採取分は枯死した。
 両社は、2011年4月から希望の松の保護を目的にしたプロジェクトチームに参加し、後継樹の育成を進めている。2011年春に希望の松で採取した枝から育成している3本の接ぎ木苗は、苗畑で順調に生育し、高さ80cmほどになった。成長状況からみて、今秋から冬にかけて、次の接ぎ木増殖につながる接ぎ穂の採取が可能になると考えられる。
 2011年4月に採取した松ぼっくりから発芽した18本の実生苗は、うち3本が成長した。外部環境に慣らすため人工気象室から室内に移すとともに、樹木の成長を助ける菌を接種する試みも行った。しかし根の成長が止まり、数週間後には芽の成長も止まったことから、枯死と判断した。自然条件に適用できなかったことが要因の1つとみられる。
 希望の松が伐採された2012年秋に採取した松ぼっくりから集めた約75個の種子については、2013年4月ごろからまいた。現在9本が発芽して3cmほどに育ったが、潮風に長期間さらされたことなどから種の状態が悪く、慎重に育成していく。今後は、震災前から取り組む針葉樹の組織培養による増殖技術を開発し、希望の松への応用を目指す。【住友林業(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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