一般財団法人環境イノベーション情報機構
ローム、固体水素源を使った小型・軽量・高出力の水素燃料電池の事業化へ実証試験
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2013.06.07 【情報源】企業/2013.06.03 発表
ロームは、小型・軽量・高出力の水素燃料電池の事業化に向け、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成で実証試験を実施する。この実証試験では京都大学の技術支援で燃料電池開発ベンチャーのアクアフェアリー(京都市西京区)と開発を進める固体水素源を使う。自治体が参加して有用性や改善点などを確認し、2015年の商用化を目指す。ロームとアクアフェアリー、京都大学は、携帯用電源で従来と比べて大幅に軽量化するとともに高効率、長寿命で長期間の発電が可能な小型の水素燃料電池システムを開発し、2012年9月に公表した。薄いシートの固体水素源と水で水素を発生させて発電でき、高出力化が難しいメタノール燃料電池や、ボンベが必要な水素燃料電池の弱点を克服する。
その後、展示会などで紹介して官公庁や企業に働き掛けをしたところ25カ国、100件以上の反響があり、中でも出力100Wクラスの軽量・高容量型への希望が多かった。日本では緊急電源が課題になっていることが分かり、ロームとアクアフェアリーは、NEDOの2013年度の課題設定型産業技術開発費助成金に実証試験計画を申請。5月8日に採択された。
実証実験は2年間行い、京都市、京都府と秋田、三重、島根の3県が参加し、固体水素源型燃料電池の緊急電源としての有用性、費用対効果、改善点を確認する。開発アライアンスには、部材供給や製造技術など各分野の有力企業が参画する。今秋をめどに試作機を製作して基本機能を評価し、各自治体がテスト用燃料電池で緊急電源の実証試験を行う。【ローム(株)】