一般財団法人環境イノベーション情報機構
三井不動産・パナソニックなど、家庭用植物工場実証の中間成果で安定した収穫確認
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2013.05.31 【情報源】企業/2013.05.29 発表
三井不動産、パナソニック、千葉大学などで組織して植物工場の利用を推進する共同事業体は、千葉県柏市に三井物産が開発を進める環境配慮型都市「柏の葉スマートシティ」の住民モニター5世帯で実施している家庭用植物工場の実証実験の中間成果をまとめた。短期間で収穫でき、外部環境による大きな変動がなく、安定した収穫を確認した。共同事業体は「街中植物工場コンソーシアム柏の葉実証部会」の名称。家庭用植物工場の実用化に向けて2012年9月から実験を実施。2013年8月までを予定する。パナソニックが試作した家庭用植物工場を自宅に設置したモニターが野菜を栽培・収穫し、家庭での小型植物工場の使用状況と、植物工場のネットワーク化による付加価値を検証する。
これまでの実験では、野菜の成長スピードが早く、苗から育てる場合は約2〜3週間、種からでも1カ月前後の短期間で収穫。モニター間や季節などで生育状況に大きな変化がなく、安定して収穫できた。ネットワークを通じた専門家のアドバイスで多品種の野菜栽培をするモニターもあり、個人でもさまざまな種類の栽培が可能なことが分かった。
品質は公的機関の分析でミネラル類などの含有量が日本人食事摂取基準に沿う数値となり、レタスは露地栽培と比べてベータカロテンの含有量が高かった。専用ウェブサイトには57件の野菜料理のレシピが寄せられ、栽培意欲の向上がみられた。導入した家庭用植物工場は、幅60cm、高さ85cm、奥行き38cm。野菜とハーブ類計30種が栽培できる。【三井不動産(株)】