一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱重工業、次世代型LNG運搬船建造で商船三井と契約、大阪ガスなどの輸送に就航
【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2013.05.21 【情報源】企業/2013.05.16 発表
三菱重工業は、次世代型のLNG(液化天然ガス)運搬船を建造することで商船三井と契約を結ぶ。船体とタンクカバーが一体構造の「さやえんどう」の形をした省燃費のLNG運搬船が採用される。船は、完成・引き渡しの後、2020年から大阪ガスと九州電力のLNG輸送に就航する。両社と商船三井は、長期輸送契約を締結することで合意した。さやえんどう船型は、複数の豆が包まれているサヤエンドウに似た形で、LNGを入れる球形のタンク4基を連続するカバーで覆うことで船全体の強度を確保しながら軽量化する。航行中の空気抵抗が軽減され、蒸気を再度加熱利用する仕組みで熱エネルギー効率を高めた主機関と併せ、従来船と比べて燃費を20%以上低減。CO2排出を抑える。
船舶のバランスを保つために船に積み込む海水、バラスト水を処理する装置も搭載し、バラスト水とともに運ばれる微生物による海洋生態系への影響も軽減する。建造する船は長さ288m、幅48.94m、総トン数13万8000t。15万3000m3のLNGを積むことができる。さやえんどう船型の受注は累計6隻となり、環境性能に関心が集まっているという。
大阪ガスと九州電力は、売買契約を締結済みのオーストラリアのプロジェクトからのLNG調達にあたり、数量が大阪ガスは年間80万t、九州電力は同30万tと2社合計で標準的なLNG船1隻分の輸送能力に相当することから、共同輸送を決めた。期間は2020年から12年間となる。商船三井は、大阪ガス、九州電力との本契約の後、三菱重工に発注する。【三菱重工業(株)】