ホンダ、燃料電池車から家庭に電力供給する実証実験を北九州市で開始、効果を検証

【大気環境 交通問題】 【掲載日】2013.04.11 【情報源】企業／2013.04.09 発表

　ホンダは、燃料電池電気自動車から家庭に電力を供給する実証実験を北九州市で始める。同市が進める環境・エネルギープロジェクト「北九州スマートコミュニティ（環境配慮型地域）創造事業」の共同実験となり、電力平準化や地域のエネルギー管理での効果などを検証する。ホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」を市に納車した。
　北九州市が運営する環境学習・交流総合拠点施設「北九州市環境ミュージアム」（同市八幡東区）の敷地内にある省エネ型ライフスタイルを提案するモデル住宅「北九州エコハウス」に、FCXクラリティから電力を供給する。電力使用のピークを抑制して電力を平準化する新しい方法としてFCXクラリティを活用し、実証実験を進める。
　地域エネルギー管理システム（CEMS）のネットワークにも電力を送り、地域全体のエネルギーを管理する中での効果を調べる。地域内の家庭やオフィスの電力需要を予測・監視すると同時に、再生可能エネルギーの発電量を予測・監視して地域の電力系統の需給バランスを調整する「地域節電所」と呼ぶ同市八幡東区の施設で検証を行う。
　実験に使うFCXクラリティは、一般家庭約6日分の使用電力が供給できる最大出力9kWの外部給電機能を装備。さまざまな状況で活用し、実際の都市環境でのCO2排出削減効果や、緊急時に移動できる発電設備としての実用性も調べる。FCXクラリティから家庭への給電は燃料電池車の新たな価値となり、実証を通して将来の普及につなげる。【本田技研工業（株）】