一般財団法人環境イノベーション情報機構
サンゴ礁の回復力低下に赤土等汚染が影響していることを世界で初めて明らかに
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2013.04.03 【情報源】国立環境研究所/2013.04.03 発表
(独)国立環境研究所は、平成25年4月3日、沖縄本島のサンゴ礁の回復力が赤土等汚染によって低下していることを明らかにした。公表によると、国立環境研究所と琉球大学の研究者は、沖縄県が1995年から沖縄本島で毎年実施している海域における定点観測調査のデータを用いて、サンゴ種ごとの分布の変化を明らかにし、1998年夏季の高水温による白化現象からの回復力を調査した。その結果、陸域からの赤土等の流出による汚染の影響を受けている海域では、サンゴ礁の形成の中心的役割を果たすミドリイシ属のサンゴの回復力がとくに低下していることが明らかになったとしている。
また、この研究は、15年にわたって沖縄本島全体という広い範囲において気候変動と赤土等流出の両方に対するサンゴの種ごとの変化を明らかにした世界初の研究であり、健全なサンゴ礁生態系の維持のために、陸域での赤土等流出を減らす対策をさらに推進する必要性を示すものであるとしている。【(独)国立環境研究所】