一般財団法人環境イノベーション情報機構
気候変動による水質等への影響解明調査 結果公表
【水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2013.03.28 【情報源】環境省/2013.03.28 発表
環境省は、平成25年3月28日、気候変動による水質等への影響解明調査の結果を取りまとめ公表した。この調査は、気候変動が公共用水域の水質及び生態系に与える影響把握や将来の気候変動に伴う水環境の変化の予測、想定される影響に対する適応策の検討に向けた参考資料とすることを目的として、環境省が平成21年度より実施してきたもの。
公表によると、公共用水域の過去の水温変化は、1980年代〜2000年代の約30年間に全国の4,477観測点のうち、夏季では3,244地点(分析対象地点の72%)、冬季では3,654地点(同82%)で水温上昇傾向。このうち、全国の1,405地点(31.4%)で冬季または夏季に有意に水温上昇。水域毎には、河川:997地点(31.9%)、湖沼:68地点(25.7%)、海域:340地点(31.2%)で、有意な水温上昇が認められた。
また、近い将来(2030〜2039年)に琵琶湖の表層の年間平均水温が1.2〜1.3℃程度上昇し、鉛直方向の水温が一様にならない期間では、下層DOが減少し、約1年後には低い水準まで低下。また底層の無酸素層(嫌気層)の発達に伴い、下層の全リン(特にリン酸態リン)濃度が増加傾向になることが、水質シミュレーションの結果から判明した。
環境省では、平成25年度以降、今回の調査の結果将来の気候変動影響に対して脆弱性が高いと考えられる湖沼環境に特化した調査検討を進めるとしている。【環境省】