一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱重工業、LNG運搬船の設計・販売新会社を今治造船と設立、新造船の増加に対応
【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2013.03.28 【情報源】企業/2013.03.25 発表
三菱重工業は、LNG(液化天然ガス)運搬船の設計・販売を行う新会社を、造船大手の今治造船(愛媛県今治市)と設立する。世界的に高まるLNG需要を背景にした新造LNG運搬船の増加に対応し、大型の商談に応えられる体制を整える。一般的な船に加え、省エネ性能の高い高付加価値の「さやえんどう」型船が建造できる特長をアピールする。新会社の名称は「MI LNGカンパニー」。東京都港区に本社を置き、4月8日に営業を始める。資本金は5000万円で出資比率は三菱重工が51%、今治造船が49%となる。受注したLNG運搬船の基本仕様をMI LNGカンパニーがまとめ、三菱重工の長崎造船所(長崎市ほか)か、今治造船の造船所で建造する仕組みにして両社の造船所を効率的に運用する。
両社を合わせて年間8隻以上のLNG運搬船の建造能力を確保し、短期間に大量の建造が可能な体制を構築。韓国などの造船大手に対抗する。三菱重工が強みとする次世代型LNG運搬船「さやえんどう」は、サヤエンドウの豆にあたる球形タンクを、船体と一体化したサヤに相当する連続カバーで覆うことで構造を効率化した船型で、燃費性能に優れる。
三菱重工と今治造船は2012年5月にコンテナ船で技術提携協定を締結したほか、同年10月には、省エネ性能が高い次世代型自動車運搬船2隻を日本郵船向けに共同受注するなど緊密な関係にある。今回、共同出資の新会社設立で関係を一層強化する。三菱重工の技術力と今治造船のコスト競争力を合わせ、世界市場でLNG運搬船の受注拡大を目指す。【三菱重工業(株)】