一般財団法人環境イノベーション情報機構
九州電力、長崎の離島、壱岐で蓄電池による風力発電の出力変動抑制の実証試験開始
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2013.03.22 【情報源】企業/2013.03.18 発表
九州電力は、長崎の離島、壱岐の壱岐市で、実際の電力系統を使って、蓄電池による風力発電などの出力変動抑制の実証試験を3月18日に始めた。実施期間は2015年3月までの2年間で、蓄電池を使って風力発電や太陽光発電の発電量の変化に伴う電力系統の周波数変動を抑制する最適な制御手法などについて検討する。国の「風力系統連系量拡大実証事業」に採択された。壱岐市にある九州電力芦辺変電所の構内に蓄電池を設置した。幅10m、奥行き7m、高さ4mの蓄電池収納建屋を2棟設け、中にそれぞれ200kWhの容量があるリチウムイオン電池ユニットを4個ずつ収納した。ユニットは約2.1kWhのモジュール96個で構成する。建屋2棟を合わせると電池容量は1600kWh、出力は4000kWと大規模になる。
蓄電池は、壱岐島内の芦辺発電所(出力1万6500kW)、新壱岐発電所(同2万4000kW)の2カ所のディーゼル発電所で発電している島の電力系統と連系し、制御装置の指令を受けて風力発電の急激な出力変動を抑制する。島内では、出力750kWの風車を2基備え、年間418万1000kWhの発電電力量を見込む壱岐芦辺風力発電所が運転している。
離島は九州本土と比べて電力系統の規模が小さく、天候によって出力が大きく変動する風力や太陽光発電といった再生可能エネルギーが連系されると安定性に影響が出やす。そのため、大規模蓄電池を導入して出力変動を抑制する実証試験を行う。蓄電池で変動を抑える制御手法のほか、蓄電池の最適な容量についても検討し、実際の電力系統での制御結果の検証を進める。【九州電力(株)】