一般財団法人環境イノベーション情報機構
昭和電工、活性炭を触媒にしてバイオマスを高効率で糖化することに北海道大と成功
【エネルギー バイオマス】 【掲載日】2013.03.18 【情報源】企業/2013.03.14 発表
昭和電工の研究グループは、身近にある活性炭を触媒にしてバイオマスを高効率で糖化することに北海道大学の研究センターと成功した。サトウキビの絞りかすのバガスからグルコース、キシロースといった糖を合成した。これらからは燃料になるバイオエタノールや生分解性プラスチック、虫歯の予防に効果があるキシリトールができる。バガスは、グルコースが多数つながってできたセルロースと呼ぶ物質と、キシロースがつながったキシランという物質が主成分。活性炭で分解することでセルロースの80%をグルコース、キシランの90%以上をキシロースとして取り出した。グルコースはエタノールなどさまざまな製品に転換でき、キシロースはキシリトールの原料になる。
バガスは水に溶けない固定で、アルカリ処理した活性炭を混ぜて粉砕し、弱酸性の高温の水中でバガスを活性炭で分解して糖に変換した。分解が困難とされるセルロースを変換できることがポイントとなる。バガスを含むバイオマスは、酸素や硫酸などを触媒にするなどの方法が試されてきたが、効率的な分解方法は確立されていなかった。
再生可能な資源のバイオマスは、燃やしてもCO2の総量が増加しないため、近年大きな関心が寄せられている。今回、安価な活性炭を使ってグルコースやキシロースを効率的に合成できたことから、新しい簡単な糖化方法として実用化と、利用の進展が期待される。活性炭の触媒機能の解明によって、新たな触媒反応への応用も可能になる。【昭和電工(株)】