一般財団法人環境イノベーション情報機構
日産自動車、軽量化のため超高張力鋼板の採用拡大、2017年以降発売の新車重量の25%に
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2013.03.14 【情報源】企業/2013.03.12 発表
日産自動車は、車体の軽量化に向けて車体部品での「超高張力鋼板(超ハイテン材)」の採用を拡大し、2017年以降に発売する新型車の重量で25%にする。従来の超ハイテン材では難しいとされていた複雑な形状に適用できる成形性の高い鋼板を、新日鉄住金、神戸製鋼所と共同で開発した。超高張力鋼板は引っ張り強度が特に高い鋼板で、1GPa(ギガパスカル)級を指す。薄くしても通常の鋼板と同等の強度が得られ、燃費向上のための車体軽量化を目的に自動車業界で利用が進んでいる。強度を上げると成形性が下がる課題があったが、日産などは今回、1.2GPa級で成形性を高めた。
1.2GPa級高成形性超ハイテン材と呼び、材料配合の最適化によって強度と高い成形性、軽さを実現。生産工程での高精度な型設計や材料に適した溶接方法の確立と併せ、適用できる車体部品の範囲を大幅に広げた。1台あたりの鋼材使用量を減らし、従来の生産ラインの活用でコストも下げられる。
日産は、1.2GPa級高成形性超ハイテン材を今年北米で発売する高級車「インフィニティQ50」から採用して車種を拡大。1.2GPa級を含む超ハイテン材比率を高めるとともに、車体構造の合理化で15%の軽量化を図る。日産は、製品の平均燃費を2016年度までに2005年度比35%の改善を目標に掲げる。【日産自動車(株)】