一般財団法人環境イノベーション情報機構
九州電力、小規模地熱バイナリー発電設備の実証試験を山川発電所で川崎重工と開始
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2013.03.05 【情報源】企業/2013.02.28 発表
九州電力は、小規模の地熱バイナリー発電設備の実証試験を山川地熱発電所(鹿児島県指宿市)で川崎重工業と2月26日に始めた。約2年間試験を行って適用可能性などについて検証する。適用できる場合は、地熱資源がある離島への導入が期待できる。川崎重工が開発したバイナリータービンを採用した。実証試験する小規模の地熱バイナリー発電設備は、出力250kW。熱水を熱源にして、代替フロンを媒体に使う。大きさは、幅約13m、奥行き約9m、高さ約7m。川崎重工が、工場の排熱などの有効活用を目的に開発した。試験では、山川地熱発電所で地下に還元する熱水を気体と液体に分離して熱源に活用する。
バイナリー発電は、沸点の低い媒体を蒸気や熱水の熱源で加熱・蒸発させ、その蒸気でもタービンを回す方式。従来の熱源の蒸気で発電する系統に加え、媒体も活用して2つの(バイナリー)熱サイクルで発電する。地熱発電に導入すると、これまで使えなかった低温の蒸気、熱水の有効利用が可能になる。
実証試験で媒体にする代替フロンの沸点は34℃と低い。試験では、熱回収技術やスケール(湯あか)対策、腐食対策、設備の性能、経済性を調べ、工場の排熱向けが地熱に適用できるかを検証する。山川地熱発電所は出力3万kWで、九州で3番目、全国7番目の事業用地熱発電所として1995年に運転を始めた。 【九州電力(株)】