一般財団法人環境イノベーション情報機構
国際エネルギー機関、「北欧エネルギー技術展望」で北欧諸国の2050年までの炭素中立は実現可能と分析
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2013.02.14 【情報源】/2013.01.22 発表
国際エネルギー機関(IEA)は、エネルギー部門の大幅な改革によって2050年までに北欧諸国の炭素中立の実現が可能になるとの見通しを示した報告書「北欧エネルギー技術展望」を発表した。その実現のためには、エネルギー効率の改善に加え、CO2の回収・貯留技術(CCS)など長期的な政策を推進する必要があるとし、IEAは同報告書で電力部門の脱炭素化や輸送部門の電化などさまざまな手段を提示している。電力部門では、2050年までに完全な脱炭素化を図るために、風力発電の割合を現在の3%から25%に増加し、送電網を150%拡大する必要がある。送電網拡大により豊富な水力発電が活用でき、電力の輸出拡大にも貢献できる。効率化によりエネルギー消費量は減少し、新規の発電が増えるので、総発電量の80%を再生可能エネルギーによって賄うことになるという。さらに、輸送部門では、電気自動車やハイブリット車の普及、鉄道やバイオ燃料車による貨物輸送を推進して90%の排出削減を実現すること、産業部門では、化学工場や製鉄所におけるCCSの導入を求め、建物部門では、2050年までエネルギー効率の高い建物への改修に対する投資を強化することを道筋として示している。【国際エネルギー機関】