一般財団法人環境イノベーション情報機構
日産自動車、ドイツダイムラー、米フォードと燃料電池システムの共同開発で合意
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2013.01.31 【情報源】企業/2013.01.28 発表
日産自動車は、ドイツのダイムラー、米国のフォードと、燃料電池(FC)システムを共同開発することで合意した。開発する新しい技術を採用し、各社が2017年をめどに、それぞれ独自の量産型の燃料電池車(FCV)を発売する。FCやFCシステムの共通化によって技術開発コストを低減することが狙いとなり、価格を抑えたFCVの市場投入を目指す。3社は、FCVの中心部品で電気をつくり出す燃料電池スタックと呼ばれるFCの心臓部や、その制御システムなどを共同で開発し、FCVを構成する部品についても検討する。3社が世界各地にそれぞれ保有する複数の拠点が協力して開発する。世界的な仕様と部品規格の確立を急ぎ、規模の拡大で得られる効果を高め、投資コストの軽減を図る。
日産は、資本提携しているフランスルノーを含む日産・ルノー連合でダイムラーと戦略的提携を結び、FCVでの協業を進めているが、今回フォードが加わった格好となる。日本、欧州、米国の自動車大手が組むことでFCVの開発を加速させるとともに、各国の産業界や政府、部品メーカーなどに対し、FCV普及に必要なインフラ整備を促す。
FCVは、水素と空気中の酸素を反応させて取り出した電気でモーターを回して走行する仕組み。走行中のCO2排出がないうえ、ガソリン車並みの航続距離や、水素充てん時間の短さが特長となる。トヨタ自動車も、ドイツBMWグループとFCシステムの共同開発で1月24日に合意したばかりで、FCVをめぐる自動車大手の提携の動きが活発になっている。【日産自動車(株)】